UL2799とは?UL2799についてわかりやすく解説

UL2799とは?

UL2799は、廃棄物管理に関する環境規格です。企業が排出する廃棄物を、リサイクル・リユース・堆肥化するなどの方法を活用し、最終処分場に埋立てられる廃棄物をゼロにすることを目的とした認証規格です。UL2799は、廃棄物の種類、発生量、リサイクル、リユースなどの管理および報告に関する要件を定めており、環境負荷の低減を目指す企業や社会にとって重要な認証制度となっています。

1. UL規格とは?

UL規格は、アメリカの認証機関「Underwriters Laboratories Inc.」(アメリカ保険業者安全試験所)が策定する製品安全規格のことで、アメリカ国内のみならず、機能や安全性に関する世界的な基準としても評価されています。特にアメリカでは製品輸出の条件になっていることもあり、アメリカ向けの取引には必須と考えても良い規格です。

UL社は民間の認証企業で、製品の安全性や品質を評価するための非営利の独立した機関です。そんなUL社は「Zero Waste to Landfill(廃棄物の埋立処理ゼロ)」プログラムを主導しており、この取り組みが環境配慮の観点から国際的な拡がりを見せています。

2.「Zero Waste to Landfill」とは?

「Zero Waste to Landfill」は、UL社が策定している「UL2799」の認証取得を製造会社や建設会社等のサプライヤー各社に求める取り組みで、廃棄物の埋め立て処理ゼロを目標とするプログラムです。「UL2799」は、廃棄物の発生を最小限に抑え、可能な限り再利用、リサイクル、エネルギー回収等の手段を用いた廃棄物処理を行うことで取得することができます。この取り組みにはGoogleやAppleも取り組んでおり、各社に部品や原材料等を供給しているサプライヤーにも「UL2799」の認証取得を求め始めています。

世界を代表する企業が「Zero Waste to Landfill」に取り組み始めているため、この取り組みは世界中に広がる可能性があります。そのため、特に日本の輸出企業は、日本国内に「Zero Waste to Landfill」プログラムが広がる前に取り組む必要が出てくることが予想されます。

3. UL2799の概要と目的

UL2799は、廃棄物管理に関する透明性を確保し、企業が責任ある廃棄物処理を行っていることを証明するための規格です。認証を取得することで、企業は自社が環境に対して積極的に配慮していることをアピールでき、特に持続可能性に配慮する消費者や取引先に対して信頼を得ることができます。また、廃棄物管理を徹底することにより、コスト削減も見込むことができます。

UL2799は、廃棄物を「他の燃焼エネルギーへ変換」「堆肥化」「再生可能な材料として再利用」するなどといった、廃棄物の転換率に着目した規格です。UL社による埋立廃棄物ゼロ認定を受けるには、廃棄物発電以外の方法で廃棄物を90パーセント以上(シルバー認定は90~94パーセント、ゴールド認定は95~99パーセント、プラチナ認定は100パーセント)転用する必要があります。(廃棄物の埋立回避率とも言えます。)

この規格の主な目的は、以下の点にあります:

  • 廃棄物削減:企業が排出する廃棄物の再利用やリサイクルなどの比率を高め、埋立処分や焼却処理される廃棄物を削減します。
  • 持続可能性の向上:環境保護の観点から、持続可能な廃棄物管理を奨励し、資源の有効活用を推進します。(世界の温室効果ガス排出量の5%は、廃棄物の処分によって発生しています。)
  • 社会的責任の証明:廃棄物管理における透明性を確保し、企業の社会的責任(CSR)を強化します。
  • 廃棄物処理コスト削減:世界の廃棄物処理コストは、2010年の年間2,050億ドルから2025年までに3,750億ドルに増加することが予想されているため、破棄物削減を国際的に推進します。
  • 資源不足の解消:資源不足によりサプライチェーンが危機に陥ることを避けるため、リサイクルやリユースの比率を高め、資源不足の解消を目指します。

4. UL2799の適用分野

UL2799は、多岐にわたる産業分野に適用できます。特に、廃棄物の多い製造業や小売業、またはリサイクルを重視する業界でその重要性が高くなります。また、IT業界においても、使用済み電子機器のリサイクルや廃棄管理の観点で重要な役割を果たしています。

なかでも早期に対応する必要のある企業は輸出企業です。世界を代表するアメリカの企業が「Zero Waste to Landfill」に取り組み始めているため、この取り組みは世界中に広がる可能性があります。そのため、特に日本の輸出企業は、日本国内に「Zero Waste to Landfill」プログラムが広がる前に取り組む必要が出てくることが予想されます。

5. UL2799の認証取得プロセス

UL2799認証を取得するために、企業は自社の廃棄物管理プロセスを正確に分析・評価し、規格に基づく改善策を実施する必要があります。認証プロセスは以下のステップで進められます:

  • 内部評価:各拠点の廃棄物の排出状況や管理体制を分析し、必要な改善点を特定します。
  • 第三者監査:UL社(認証機関)による監査を受け、UL2799規格の基準に準拠しているかどうかを評価されます。
  • 認証取得:監査の結果、基準に合致していればUL2799の認証が付与されます。

6. UL2799認証を取得するメリット

  • 環境配慮の証明:UL2799認証を取得することで、企業が持続可能性に配慮した廃棄物管理を行っていることを証明できます。これは、環境意識の高い消費者やビジネスパートナーに対して強いアピールポイントとなります。
  • コスト削減:効率的な廃棄物管理により、廃棄コストの削減が期待できます。再利用やリサイクルの促進により、廃棄物の処理費用を削減し、資源の再活用を図ることが可能です。
  • ブランド価値の向上:環境意識の高い企業としてのブランドイメージが強化され、信頼性が向上します。
  • 競争力の強化(主に輸出):UL2799認証を取得することで、「Zero Waste to Landfill」プログラムに参加することができます。このプログラムは世界的に広まる可能性が高いため、早期にUL2799認証を取得することで、競合他社より高い競争力を持つことができます。特に、UL2799の認証取得を必須とするベンダーへ自社製品や部品などを供給する企業にとっては大きな強みとなります。

7. UL2799と他の規格との違い

UL2799は、特に廃棄物管理に特化した規格であり、ISO14001のような包括的な環境管理規格とは異なります。ISO14001が全体的な環境マネジメントシステムに焦点を当てているのに対し、UL2799は廃棄物の管理とリサイクルプロセスに重点を置いており、廃棄物の埋立回避や焼却処分回避を実現することに特化しています。

8. まとめ

「UL2799」は、廃棄物の発生を最小限に抑え、可能な限り再利用、リサイクル、エネルギー回収等の手段を用いた廃棄物処理を行うことで取得することができます。廃棄物の埋め立て処理ゼロを目標とするプログラム「Zero Waste to Landfill」に世界を代表する企業が取り組み始めていることから、今後は日本の輸出企業もUL2799認証を取得することが求められます。UL2799は、廃棄物の種類、発生量、リサイクル、リユース(繰り返し利用)などの管理および報告に関する要件を定めており、環境負荷の低減を目指す企業や社会にとって重要な認証制度です。積極的にUL2799認証を取得し、企業の国際市場におけるイメージ強化や競争力強化を図りましょう。

 

(株)アシブネの「UL2799」認証取得に対する支援内容

(株)アシブネは、廃棄物一元管理システム「アシブネシステム」を活用して、企業の産業廃棄物管理をDX化する支援を行っています。アシブネシステムは、電子マニフェストに対応しつつ、廃棄物管理のDX化を実現することができる廃棄物一元管理システムです。

廃棄物に関するあらゆる業務を視える化し、各拠点の廃棄物処理状況を本社で管理することができ、コスト管理や廃棄物処理の分析・改善など、廃棄物に関する社内業務の効率化を実現することができます。UL2799認証を取得するためには、各拠点で排出される廃棄物の種類や量、フロー等をリアルタイムで正確に視える化し、常時分析・改善する必要があります。

「アシブネシステム」は、「UL2799」認証を取得する上でもっとも重要となる「廃棄物処理状況の視える化」と「廃棄物処理の分析・改善」に大いに貢献します。

廃棄物一元管理システム「アシブネシステム」について

 

UL2799対応は (株)アシブネへご相談ください。

産業廃棄物の適正な管理は、持続可能な社会と環境経営を実現するために不可欠な取り組みです。(株)アシブネは、排出事業者向け廃棄物一元管理システム「アシブネシステム」を活用し、企業の産業廃棄物管理体制を改善することに取り組んでおります。貴社の産業廃棄物管理体制が適正か否かの無料診断も可能ですので、ぜひお気軽にお問合せ下さい。

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