建設業におけるM&Aの注意点とは?成功へのポイントをご紹介

建設業のM&Aを成功に導く【中小企業編】

建設業界では、中小建設会社の後継者不在率の上昇に伴い、事業承継や規模拡大の手段としてM&Aが注目されています。しかし、建設業M&Aでは、建設業ならではの課題や注意点が多数存在します。本記事では、中小企業の建設業M&Aにおける注意点を詳しく解説し、成功に向けたポイントを紹介していきます。

1. 建設業M&Aの特徴

建設業は、他の業種と比較して特有の要素が多くあります。特に、許認可関係や業務の専門性、元請・下請け業者との契約関係は大きな特徴であり、事前準備を要するポイントです。このためM&Aの際には、これらの業界特有のポイントを把握し、適切な対策を講じる必要があります。

2. 建設業M&Aにおける主な注意点

(1) 許認可の引き継ぎ

建設業M&Aでは、建設業許可などの許認可の引継ぎがスムーズに行えるか否かが重要なポイントとなります。M&Aにおいては、許認可の変更手続きなどが必要となるため、このプロセスがスムーズに進まない場合、事業承継だけでなく、事業の継続そのものに大きな影響を及ぼす可能性があります。以下の例を参考にし、事前に社内の現状を確認してみましょう。

【例】

売り手の会社は役員が売り手本人(代表取締役)しかいないため、M&A後に退任すると、経営業務の管理責任者が不在となり、許認可を失う可能性がある。

【経営業務の管理責任者要件】

  • 建設会社の役員として5年以上の経験を有する者
  • 許認可取得の申請をした会社に常勤していること
  • 許認可取得の申請をした会社で社会保険に加入している事

【対策例】

  • 買い手の社内に経営業務の管理責任者要件を満たす人材が複数人にいる場合は、要件を満たす人材を売り手の会社に派遣する。役員として登記後、許認可の変更手続きを行う
  • 買い手の社内に経営業務の管理責任者要件を満たす人材が複数人いない場合は、売り手が「取締役」として残り、買い手から売り手の会社で「代表取締役」を担う人材を派遣し、5年後に売り手が退任する。
  • 売り手の社内に、役員ではないが経営業務の管理責任者を支えるポジション(営業部長や設計部長、工務部長等)での補佐経験が6年以上ある人材がいる場合は、「準ずる地位」という要件を満たす可能性があます。この場合は、売り手の社内にいる「準ずる地位」の要件に当てはまる人材を役員として登用し、許認可の引継ぎを行える場合があります。

【要注意点】

建設業M&Aでは各会社の状況が異なるため、上記の例に当てはまらないケースが多々ございます。そのため、M&A実行前に、管轄する自治体(都道府県や市町村の土木課等)もしくは地方整備局(国土交通大臣許可の場合)に問い合わせをし、対策を検討しておくことが重要です。

国土交通大臣許可の場合の相談先一覧ページはこちら→ 国土交通省_許可行政庁一覧表

(2) 元請・下請業者との契約関係

建設業は、元請業者や下請業者と協力して事業を進める業態です。M&A後も、これらの元請業者や下請業者との良好な関係を維持することが、事業の円滑な運営に欠かせません。M&Aの際には、元請契約や下請契約の継続や見直しについても事前に確認し、関係を強化するための準備をしておくことが求められます。特に、元請業者と締結した契約書の内容は念入りに確認し、株主や経営陣の交代が契約関係に影響を与えるか否かを事前に把握することが重要です。

(3) 従業員の引き継ぎと労務リスク

建設業では、熟練の職人や技術者の存在が事業を継続する上で重要な要素となります。M&Aによって従業員のモチベーションが低下しないよう、待遇維持や職場環境の変化を抑える等の配慮は欠かせません。離職リスクを軽減するためには、従業員とのコミュニケーションを大切にし、適切な引き継ぎを行うことが鍵です。

(4) 財務状況の透明性

M&Aにおいては、買い手が譲渡対象企業の財務状況を詳細に把握する必要があります。建設業では、長期プロジェクトも多いため、未成工事の内訳や受注残などの確認が重要となります。また、資産の評価やキャッシュフローの安定性もM&A後の成功に直結します。そのため買い手は、事前のデューデリジェンス(企業調査)を通じて財務状況をしっかりと精査するため、売り手は協力的に対応することが求められます。

(5) 法的リスクの確認

建設業は、業務内容が多岐にわたり、法的リスクを伴うことが多くなりがちです。特に、労働法や建設業法に関連するリスクや違反の有無は、M&Aの過程で詳細に確認する必要があります。契約書や取引内容、過去の法的トラブルなどを精査し、潜在的なリスクを把握することで、取引後の問題発生を未然に防ぐことができます。よって買い手は、デューデリジェンス(企業調査)を通じて法務・労務面の精査を行います。上記同様、売り手は協力的に対応することが重要なポイントです。

3. 建設業M&Aを成功させるためのポイント

(1) 十分な事前準備

建設業M&Aを実行する際に課題となる部分を把握するため、事前に社内の課題を把握することが重要なポイントになります。財務、法務、業務プロセスなど、あらゆる面でリスクを洗い出し、M&A後のトラブルを最小限に抑えるための対策を立てましょう。

(2) 専門家のサポートを受ける

建設業M&Aにおいては、建設業M&Aに精通したM&A仲介会社や法務・財務の専門家などのサポートを受けることで、より適切なM&Aを実行することができます。特に、許認可や契約関係の引き継ぎに関しては、専門知識が不可欠です。

(3) 組織文化の融合を促進する

M&Aにおいて、売り手と買い手の組織文化の違いが問題になることがあります。特に建設業では、現場での連携やチームワークが重要であり、組織文化の違いによる衝突は避けたいところです。従業員同士のコミュニケーションを活性化し、文化の融合をスムーズに進める取り組みを強化しましょう。

まとめ

建設業におけるM&Aは、事業の拡大や事業承継の手段として非常に有効ですが、業界特有のリスクや注意点が多く存在します。許認可の引き継ぎや契約書関係、従業員の処遇、財務状況の課題解決など、慎重な準備を行うことで、M&Aを成功に導くことができます。また、専門家のサポートを受けることで、M&Aをスムーズに進めることができるでしょう。

 

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