廃棄物データを集めるだけではもったいない。環境経営に活かす5つの方法

データ分析①

「電子マニフェストを導入した」

「廃棄物の排出量を集計している」

「工場ごとの廃棄物データをExcelで管理している」

廃棄物管理のデジタル化が進み、企業が保有する廃棄物データは以前よりも集めやすくなっています。

一方で、そこで集めたデータを、

「集計して報告するだけ」

で終わらせてはいないでしょうか。

廃棄物の種類、排出量、処理方法、処理費用、排出拠点などの情報は、単なる廃棄物管理のためのデータではありません。

見方を変えれば、

  • 廃棄物処理コストを削減する
  • 工場ごとの改善ポイントを見つける
  • リサイクル・資源循環を進める
  • 環境情報の開示や説明に活用する
  • 環境経営の意思決定に役立てる

ための「経営情報」にもなります。

環境省の第五次循環型社会形成推進基本計画でも、トレーサビリティの確保や効率性向上に向けて、デジタル技術を活用した資源循環・廃棄物管理基盤の強化や、資源循環に必要な情報の可視化が掲げられています。

では、廃棄物データをどのように経営に活かしていけばよいのでしょうか。

 

1.廃棄物処理に「いくらかかっているか」を把握する

まず取り組みたいのが、廃棄物処理にかかっているコストの見える化です。

廃棄物の処理費用は、品目ごと、処理業者ごと、工場ごとに分散していることがあります。

そのため、会社全体で見ると、

「年間で廃棄物処理にいくら使っているのか」

が分かりにくくなりがちです。

例えば、

  • 廃プラスチック
  • 金属くず
  • 汚泥
  • 廃油
  • 木くず
  • 廃酸・廃アルカリ

などの種類ごとに、排出量と処理費用を整理します。

さらに、

「1kgあたりいくらかかっているのか」

まで見ることで、単純な処理費用の比較だけでは分からなかった違いが見えてきます。

「排出量が多いもの」だけではなく、「単位あたりの処理コストが高いもの」を把握することも、改善の優先順位を決めるうえで重要です。

 

2.工場・拠点ごとに比較する

複数の工場や事業所を持つ企業では、廃棄物データを拠点単位で比較することも有効です。

例えば、同じような製品を製造している工場なのに、

  • 廃棄物の排出量が違う
  • リサイクル率が違う
  • 処理費用が違う
  • 廃棄物の分類方法が違う

ということがあります。

ここで重要なのは、「どの工場が良い・悪い」と評価することではありません。

なぜ違いが生じているのかを確認することです。

製造工程の違いなのか。

原材料の違いなのか。

分別方法の違いなのか。

処理業者や処理方法の違いなのか。

あるいは、単純にデータの集計方法が統一されていないのか。

データを同じ基準で並べてみることで、これまで担当者の経験や感覚に頼っていた課題を、具体的な数字として確認できるようになります。

 

3.「何を減らすべきか」をデータから考える

廃棄物削減というと、

「とにかく廃棄物を減らす」

という発想になりがちです。

しかし、実際にはすべての廃棄物を同じように削減できるわけではありません。

そこで、

排出量 × 処理コスト × 資源循環の可能性

という視点から、取り組むべき廃棄物を整理してみます。

例えば、排出量が非常に多く、処理費用も高い廃棄物があれば、削減や処理方法の見直しによる効果は大きくなります。

一方で、排出量は少なくても、処理方法や法令上の管理に注意が必要な廃棄物もあります。

重要なのは、

「すべてを一度に改善する」のではなく、「どこから手をつけるか」をデータから決めること

です。

廃棄物管理を、単なる維持管理業務から継続的な改善活動へ変えていくためには、この優先順位付けが欠かせません。

 

4.「廃棄物」を資源循環の視点から見直す

もう一つ重要なのが、廃棄物を「処理するもの」としてだけ見ないことです。

現在、企業には廃棄物の適正処理だけでなく、資源循環への取り組みも求められるようになっています。

第五次循環型社会形成推進基本計画では、循環経済への移行を国家戦略として位置付け、資源循環に必要な製品・素材の情報や循環実態の可視化などを進める方向性が示されています。

例えば、

「現在は廃棄物として処理しているものを、資源として利用できないか」

という視点です。

具体的には、

  • 有価物として売却できないか
  • 再生原料として利用できないか
  • 別の処理方法に変更できないか
  • 他社で資源として利用できないか
  • 製造工程そのものを見直せないか

といった可能性を検討します。

もちろん、すべての廃棄物を資源化できるわけではありません。

だからこそ、排出量や処理方法などのデータを整理し、どの廃棄物から検討するべきかを見極めることが重要になります。

 

5.環境情報の「説明」に使う

廃棄物データの活用先は、コスト削減や資源循環だけではありません。

環境情報の開示や、取引先への説明にも活用できます。

例えば、

「廃棄物を年間○○t削減した」

「リサイクル率○○%を達成した」

「資源循環に取り組んでいる」

といった情報を発信する場合です。

ここで重要になるのが、

「その数字を、どのようなデータから算出したのか」

を説明できることです。

対象となる拠点はどこなのか。

対象期間はいつなのか。

分母・分子は何なのか。

どのような処理を「リサイクル」として計上しているのか。

どのデータをもとに算定したのか。

環境情報は、「数字がある」だけでは十分ではありません。

数字の意味や算定方法まで説明できる状態にしておくことが、これからの環境経営ではますます重要になります。

 

電子マニフェストを「管理の終点」にしない

ここまで見てきたように、廃棄物データにはさまざまな活用方法があります。

では、そのデータをどこから取得すればよいのでしょうか。

その一つが電子マニフェストです。

環境省は、電子マニフェストについて、情報管理の合理化だけでなく、処理状況の確認やデータの加工などにもメリットがあるとしています。

また、2025年3月末時点で電子マニフェストの普及率は86.9%に達しています。一方、産業廃棄物の委託処理量に対する電子マニフェストの捕捉率は60%程度とされ、第五次循環基本計画では2030年度までに75%とする目標が掲げられています。

つまり、電子化そのものは着実に進んでいます。

これから重要になるのは、

「電子化したデータを、その先でどう使うか」

ではないでしょうか。

電子マニフェストを導入すること自体をゴールにするのではなく、

収集 → 可視化 → 分析 → 改善 → 効果検証

というサイクルにつなげていく。

これが、廃棄物管理DXを環境経営につなげるためのポイントです。

 

廃棄物データを「経営情報」に変えるために

廃棄物管理は、これまで環境部門や総務部門などが中心となって管理する業務と考えられることが多いものでした。

しかし、廃棄物の排出量や処理費用、資源化状況を整理していくと、製造、購買、物流、経理、経営企画、サステナビリティなど、さまざまな部門と関係していることが分かります。

例えば、

廃棄物が増えた
↓
処理費用が増えた
↓
製造工程や原材料に原因がある
↓
工程を改善する
↓
廃棄物とコストが減る

という流れがあれば、廃棄物データは単なる環境データではありません。

製造工程や経営改善につながるデータになります。

だからこそ、これからの廃棄物管理では、

「適正に処理できているか」

だけではなく、

「そのデータを経営にどう活かすか」

という視点が重要になってきます。

 

アシブネが支援できること

株式会社アシブネでは、企業の廃棄物管理を「処理するための管理」から、「改善につなげる管理」へ変えていくための支援を行っています。

例えば、次のようなご相談に対応しています。

廃棄物管理の現状整理

複数拠点の廃棄物の種類、排出量、処理方法、処理費用などを整理し、現在の管理状況を可視化します。

「データはあるものの、整理しきれていない」

「工場ごとに管理方法が違う」

といったケースでも、現状を確認しながら整理していきます。

廃棄物処理コストの見直し

現在の処理費用や処理方法を確認し、改善の可能性を検討します。

処理単価だけを見るのではなく、排出量、収集運搬、処理方法、契約内容などを含めて全体を確認します。

廃棄物処理業者の相見積もり

廃棄物処理費用の見直しを目的として、全国対応で相見積もりの取得を支援しています。

現在の処理業者との契約を前提とせず、地域や廃棄物の種類、処理方法などを踏まえて候補となる処理業者を検討し、複数社から見積もりを取得することで、現在の処理費用や条件を比較します。

単純に「一番安い業者」を探すのではなく、

  • 許可・契約関係
  • 収集運搬の条件
  • 処理方法
  • リサイクル・資源化の可能性
  • 処理費用
  • 現在の契約条件との違い

などを含めて比較することが重要です。

「今の処理費用は適正なのか?」

というところからでもご相談いただけます。

廃棄物管理DX・データ活用

電子マニフェストなどから得られる廃棄物情報を整理し、拠点別・廃棄物種類別・処理方法別などで把握できる仕組みづくりを支援します。

単なる電子化ではなく、

「集めたデータを、改善に使える状態にする」

ことを重視しています。

弊社サービスについてはこちら:Ascloud|廃棄物管理DX

資源循環・廃棄物削減の検討

廃棄物の排出状況や処理方法を確認し、削減・再資源化・処理方法の変更など、改善の可能性を検討します。

「廃棄物を減らしたいが、何から始めればいいか分からない」

という企業に対して、データをもとに優先順位を整理します。

弊社サービスについてはこちら:資源循環コンサル

 

廃棄物管理を、環境経営の入口に

廃棄物データは、集計して終わるものではありません。

そこには、

コスト

製造工程

資源循環

環境情報

経営改善

につながる情報が含まれています。

大切なのは、データを集めることそのものではなく、そのデータから何を読み取り、どのような改善につなげるかです。

アシブネは、廃棄物管理の現状整理から、処理コストの見直し、全国対応の相見積もり、廃棄物管理DX、資源循環の検討まで、企業の状況に合わせた支援を行っています。

「廃棄物処理費用を見直したい」

「複数工場の廃棄物をまとめて管理したい」

「今の処理業者・処理費用が適正なのか確認したい」

「廃棄物データを環境経営に活用したい」

「処理コストの高い廃棄物を資源循環させたい」

といった課題があれば、まずは現在の状況をお聞かせください。

廃棄物管理を、コスト管理から資源循環、そして環境経営へ。

アシブネは、企業の「次の一手」をデータと現場の両面から支援します。

 

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