SDGsと廃棄物の関係、目標12について
持続可能な社会の実現を目指すSDGs（Sustainable Development Goals）は、国連で採択された17の目標で構成されています。この中で「目標12：つくる責任 つかう責任」は、廃棄物の削減や循環型経済の推進に深く関連しています。企業や個人がこの目標に向けた取り組みを強化することで、地球環境への負荷を減らし、持続可能な未来を築くことができます。
本記事では、SDGsと廃棄物の関係、目標12の内容、企業の産業廃棄物管理の重要性について詳しく解説します。
1. SDGsと廃棄物問題の関係性
廃棄物の管理や削減は、持続可能な社会を構築する上で重要な課題です。特に、以下のような影響が指摘されています。
- 環境負荷の増大：廃棄物が適切に処理されない場合、土壌汚染や水質汚染、温室効果ガスの排出増加につながります。
- 資源の浪費：リサイクルおよびリユース可能な資源が廃棄されることで、有限な資源の無駄遣いが生じます。
- 社会問題の顕在化：廃棄物の不適切な管理は、地域住民の健康や生活環境に悪影響を及ぼすことがあります。
2. 目標12「つくる責任 つかう責任」とは？
国連で採択された17の目標の中にある「目標12」は、持続可能な生産と消費の実現を目的としています。この目標では、特に以下のような項目が重要視されています。
- 廃棄物削減：生産プロセスから発生する廃棄物や食品ロスを削減する。
- リサイクルの推進：リサイクル率を向上させ、循環型経済を形成する。
- サプライチェーン全体の最適化：持続可能な資源利用を目指し、原材料の選定やエネルギー効率の向上を図る。
たとえば、目標12.5では「2030年までに廃棄物の発生を大幅に減らす」という具体的な目標が掲げられています。これは、個人や企業がそれぞれの立場で責任を果たすことを求めています。目標12.5を達成するためには、以下の取り組みが重要視されます。
- Refuse（ことわる）: 不要な物や使い捨てのプラスチック製品を断る。
- Reduce（減らす）: 過剰な消費を控え、必要最小限にする。
- Reuse（再利用）: 繰り返し使用できる製品を選び、修理して長く使う。
- Recycle（リサイクル）: 使用後の製品を資源として適切にリサイクルする。
- Rot（堆肥化）: 生ごみや有機物を堆肥として再利用する。（コンポストを使用する等）
この5Rの取り組みを徹底することで、個人や企業は廃棄物を出さない生活やビジネス運営を進めることができます。
3. 産業廃棄物管理の重要性
企業活動における産業廃棄物の適切な管理は、環境保護だけでなく、企業の社会的責任（CSR）や廃棄物の削減を実現する上で重要です。
- 法的コンプライアンス：日本では、「廃棄物処理法」に基づき、排出事業者には適切な廃棄物管理が義務付けられています。不適切な処理は罰則の対象となるだけでなく、企業イメージにも悪影響を及ぼします。
- コスト削減と利益創出：廃棄物をリサイクルや再利用することで、廃棄コストを削減し、新たな利益を生む可能性があります。この取り組みを実現させるためには、自社が排出している産業廃棄物の量や種類を視える化し、分析する必要があります。
- ブランド価値の向上：環境に配慮した取り組みを行う企業は、消費者や投資家からの評価が高まる傾向にあります。
- 採用力の向上：昨今、就活生の多くが企業のSDGsに対する取り組みを重視しています。
4. 日本国内の具体的な取り組み事例
1. 食品廃棄物の削減
日本では食品リサイクル法に基づき、食品廃棄物を堆肥化する取り組みが進んでいます。たとえば、大手食品メーカーが食品残渣を肥料として再利用する事例があります。
2. プラスチック廃棄物の削減
自治体や企業によるプラスチックリサイクルの取り組みが活発化しています。特に、リサイクル可能な素材を用いた製品の開発や使い捨てプラスチック削減キャンペーンが注目されています。
3. ゼロエミッション活動
企業が自社の廃棄物をすべてリサイクルし、埋め立てや焼却をゼロにする「ゼロエミッション」の取り組みも増えています。
4.「Zero Waste to Landfill」の取り組み
「Zero Waste to Landfill」は、アメリカの認証機関「Underwriters Laboratories Inc.」（アメリカ保険業者安全試験所）が策定している「UL2799」の認証取得を製造会社や建設会社等のサプライヤー各社に求める取り組みで、廃棄物の埋め立て処理ゼロを目標とするプログラムです。「UL2799」は、廃棄物の発生を最小限に抑え、可能な限り再利用、リサイクル、エネルギー回収等の手段を用いた廃棄物処理を行うことで取得することができます。この取り組みにはGoogleやAppleも取り組んでおり、各社に部品や原材料等を供給しているサプライヤーにも「UL2799」の認証取得を求め始めています。
世界を代表する企業が「Zero Waste to Landfill」に取り組み始めているため、この取り組みは世界中に広がる可能性があります。そのため、特に日本の輸出企業は、日本国内に「Zero Waste to Landfill」プログラムが広がる前に取り組む必要が出てくることが予想されます。
5. 今後の展望とまとめ
SDGsの達成に向けて、廃棄物管理は企業や個人が直面する重要な課題です。「つくる責任 つかう責任」を意識し、廃棄物の削減と循環型経済の構築に向けた取り組みを進めることが求められます。
特に企業は、産業廃棄物の適切な管理を通じて法的リスクを回避しながら、環境負荷を軽減し、社会的責任を果たす必要があります。今後も国際的な目標であ
(株)アシブネの「廃棄物管理および削減」支援
(株)アシブネは、廃棄物一元管理システム「アシブネシステム」を活用して、企業の産業廃棄物管理や自治体の廃棄物管理をDX化する支援を行っています。アシブネシステムは、電子マニフェスト（産廃）に対応しつつ、廃棄物管理のDX化を実現することができる廃棄物一元管理システムです。
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