【SSBJ対応】Scope3・カテゴリー5(廃棄物)算定の実務ロードマップ:上場企業が「グループ・多拠点」の活動量データの整備を最優先すべき理由

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プライム上場企業を中心に「SSBJ(サステナビリティ基準委員会)」に対応したサステナビリティ情報の法定開示が急務となっています。

サプライチェーン全体の排出量を網羅するScope3の算定において、多くのサステナビリティ担当者が頭を悩ませるのが「データの精度(確からしさ)」と「現場の集計負担」のバランスです。

特に「カテゴリー5(事業から出る廃棄物)」は、自社グループのマネジメント次第で確実に削減コントロールができる領域です。

本記事では、環境省の最新ガイドライン(ver.2.8)の算定構造を紐解きながら、なぜ今、企業が「各拠点の活動量(廃棄物の種類・重量)を実測値ベースで細かく整備する」ことを最優先すべきなのか解説します。

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1. Scope3算定における「1次データ」「2次データ」とは?

まず、Scope3の算定式は、すべて

CO2排出量 = 活動量(量) × 排出原単位(1トンあたりのCO2量)

という掛け算で成り立っています。

実務において「1次データ」「2次データ」という概念が存在するのは、主に右側の「排出原単位」の領域です。

  • 1次データ(最高精度) 委託している処理業者が、廃棄物の種類や処理内容に応じて排出した「リアルなCO2データ(処理会社固有の実測値)」。

  • 2次データ(中精度) 環境省などのデータベースに載っている「国内の平均的なCO2数値(国や業界の共通値)」。

当然、最高精度の算定を行うために全拠点で1次データ(処理業者の固有原単位)を採用することが望ましいのですが、相手側の管理体制に依存するため、全ての処理委託先から1次データを収集することは簡単ではありません。

そのため国(環境省)も、「右側の原単位については、環境省が提供するデータベース(2次データ)を使ってよい」と現実的な妥協点を定めています。

一方で、掛け算の左側にある「活動量(廃棄物の重量)」は、自社の活動の実績値です。

「活動量(廃棄物の重量)」の領域で重要になることは、「請求書やマニフェストに基づいた正確な集計データなのか」という、データの「精緻さ(網羅性と正確性)」です。

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2. 環境省が用意した「2つのデータベース」

右側の排出原単位に国の2次データを利用する場合、企業の実務は「環境省が用意している2つのデータベース(2次データ)のどちらを選ぶか」ということになります。

排出単位データベースはコチラから

具体的な排出原単位については、上記サイトから以下のファイル名の最新バージョンをダウンロードしてください。

「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベース Ver.〇〇(EXCEL)<202〇年〇月リリース>」

廃棄物に関する排出原単位はエクセルファイル内の「シートNo.8廃棄物【種類・処理方法別】」「シートNo.9廃棄物【種類別】 」に記載されています。

環境省のガイドライン(2.5.2節)が定める、公式算定式(5-1)の適用において、以下の2つの選択肢があります。

選択肢①:廃棄物種類別排出原単位(シート9のデータ)

日本国内の「焼却」「埋立」「リサイクル」の処理実績をごちゃ混ぜにして、廃棄物の種類ごとに「加重平均」した大雑把な共通値です。

以下、シート9に関する説明

「焼却」、「埋立」、「リサイクル」に係る排出原単位を、処理方法ごとの処理実績(t)により加重平均し、廃棄物種類ごとの排出原単位を設定しました。

  • メリット 「廃プラ〇トン」という総量さえ分かれば一発で計算できるため非常に楽です。

  • デメリット 処理方法に関わらず一律の平均数値をかけるため、企業がコストや手間をかけて焼却からリサイクルへ処理ルートを切り替えたとしても、計算上のScope3の数値は減りません。 サステナブル経営の努力が無視される計算方法です。

選択肢②:廃棄物種類・処理方法別排出原単位(シート8のデータ)

「焼却」「埋立」「リサイクル」という処理方法ごとに、廃棄物の種類に応じた個別の数値が設定されたデータベースです。

原単位そのものは国の平均値(2次データ)ですが、リサイクルの数値は焼却に比べて圧倒的に低く設定(多くの品目で焼却の100分の1近く)されています。

  • メリット 国のデータではあるものの、リサイクルに回した成果がダイレクトにScope3の削減実績として反映されます。

【補足】さらに精度の低い「3次データ(金額ベース)」の存在

実務上、支払った廃棄物処理費用(金額)にマクロな産業統計値を掛け合わせてCO2を推計する「3次データ」という手法も存在はします。

しかし、これは「ゴミをいくら減らしても、物価や処理単価が上がればCO2が増える」という実態からかけ離れた計算になるため、利用は推奨できません。

上場企業は必ず金額ベースを脱却し、「重量ベース」、すなわち環境省の2次データ(理想は1次データ)を使いこなす体制を作る必要があります。

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3. 「シート8」を使いこなすための「準備」

削減成果を正しくアピールし、SSBJ対応を早期にクリアするためには、「選択肢②(シート8の処理方法別データ)」を採用するようになります。

しかし、環境省が用意したデータベースを使うためには、掛け算の左側となる「廃棄物の種類・処理方法・重量」という活動量(重量データ)を、100%の実測値として細かく拠点ごとに揃えておくことが重要です。

この「活動量データの細かい整備と多拠点の精度向上」こそが、上場企業の実務におけるボトルネックとなります。

なぜなら、多くの企業において、この活動量データの収集体制に「アナログ」が多く残っているからです。

全国の拠点やグループ会社には、個別に契約している処理業者から毎月多量に発生するマニフェスト(産業廃棄物管理票)や請求書、計量証明書が届きます。

カテゴリー5の算定に含まれている「廃水・汚泥」といった品目も正しく仕分けし、有価物(売却したもの)を除外し、各処理業者が「実際にリサイクルしてくれたのか、それとも焼却したのか」というエビデンスを、本社のサステナビリティ担当者が月ごとに回収・突合・分類していては、環境事務が完全にパンクしてしまいます。

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4. Ascloudで「活動量の整備」を自動化

右側の原単位を自社で完全な1次データ化(処理会社固有のCO2測定)するのは、相手方の体制次第であり自社ではコントロールできません。

だからこそ、カテゴリー5の算定において企業が今すぐ取り組むべきは、「左側の活動量(種類・処理方法別の実測重量)を集計する体制整備」です。

この課題を、システム×BPO×コンサルティングの三位一体で解決するのが、廃棄物管理DXシステム「Ascloud(アスクラウド)」です。

  • 【Ascloud(システム)】実測データを自動で「準備」 全国の拠点・グループ会社の請求書やマニフェストデータをクラウド上で一元管理。廃水や汚泥を含むすべての廃棄物を、「種類別」「処理方法別」の重量データとして集計・可視化します。データソースとなった請求書のPDF等と計算プロセスが直結しているため、信頼性の高い活動量データ基盤が整います。

  • 【BPO(業務アウトソーシング)】「データ回収・細かい仕分け」を代行 「全グループ会社からの請求書回収」「重量データの突合チェック」「処理業者への細かな処理方法(リサイクルルート等)の確認作業」といった事務作業そのものを、弊社の専門チームがバックオフィスとして一括代行します。本社の社員様のリソースを消費することなく、高精度なデータ基盤を維持できます。

  • 【コンサルティング】投資家から評価される「削減」へ 単に数値を集計するだけでなく、Ascloudによって可視化された信頼性の高い実測値を基に、専門の環境コンサルタントが伴走。「どのグループ会社の、どの拠点の処理ルートを見直せば、最も効率的にScope3を削減できる」といった具体的なロードマップを描き、ESG投資評価の向上を支援します。

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5. 将来の展望:1次データを出せる処理会社が優遇される時代へ

現在は「右側の原単位」について環境省の2次データ(シート8)を利用することになりますが、脱炭素経営が深化する将来、「リサイクル工程における処理業者固有のCO2データ(原単位の1次データ)」を自ら開示・提供できる先進的な処理会社が、上場企業から優遇され、選別される時代が到来するかもしれません。

そうなったとき、企業は単に「処理費用が安いから」という理由だけで業者を選ぶのではなく、「Scope3削減に協力的なデータエビデンスを出せるか」という基準も含めて処理会社を再選定(相見積もり・リプレイス)していく必要に迫られます。

当社(アシブネ)は、「全国の処理会社データ」を豊富に持ち、「資源循環コンサルティング」も提供しています。

そのため、弊社の全国データベースを駆使し、「現在のコストを維持、あるいは最適化しながら、将来的に原単位の1次データ化に対応できる優良なリサイクル業者」をピンポイントで見つけ出し、最適な条件で相見積もり・リプレイスをかけることが可能です。

SSBJ基準の本格化に伴い、Scope3は「それらしい数字を出すフェーズ」から、「測定方法の透明性と、削減実績のエビデンスを問われるフェーズ」へと移行します。

自社でコントロールできない右側の領域に悩んだり、精度の低い3次データ(金額ベース)に頼るのではなく、まずは自社で固めるべき領域(全拠点の活動量)の精度を上げることに注力することが重要です。

確かなデータインフラ(システム)と、次の業者選定までを見据えた体制(BPO・コンサル)をあわせ持つAscloudとともに、一歩進んだ環境マネジメントを始めませんか?

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廃棄物管理の仕組み化を進めたい企業様へ

Ascloud

廃棄物管理は、担当者の経験や勘に依存しやすい領域です。
しかし、排出事業者責任を確実に果たすためには、「誰が担当しても同じレベルで管理できる仕組み」 が欠かせません。

こうした状況を根本から改善するには、「人に依存しない仕組み」 をつくることが最も効果的です。

(株)アシブネは、廃棄物管理支援業務と廃棄物一元管理システム「Ascloud(アスクラウド)」を活用し、排出事業者が抱える以下のような課題にお応えしております。(Ascloudは、クラウド型支援ツールです。)

  • 相見積もりの取得(相場の把握)
  • 複数拠点の産業廃棄物データを一元管理
  • マニフェスト、契約書、許可証の管理(期限切れが迫ると知らせる機能もあり)
  • 事業系一般廃棄物、有価物の管理
  • 属人化しがちな業務を標準化・省力化
  • 帳票作成・レポート作成が自動化可能
  • 各拠点の廃棄物分析(量や種類、コスト等)
  • 請求書の取りまとめ

その他様々な機能やサービスがありますが、弊社の廃棄物管理支援も含めてこれらを一つの仕組みで管理できれば、排出事業者責任のリスクは大幅に減り、担当者の負担も軽くなります。

これらを紙やExcelで管理し続けるのは、どうしても限界があります。

担当者が変わるたびに管理が崩れ、リスクが積み上がっていくからです。

廃棄物管理にご不安を感じている企業様は、ぜひ一度(株)アシブネにご相談ください。
現場の状況に合わせて、最適な管理方法とシステム活用のご提案をいたします。

 

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